5年半に及ぶ工事
多機能のまちづくりに総力をあげて取り組む
(株)フジタ
建築工事部 部長
各務邦彦
この意義深い事業に、当社を代表とする共同事業体は総力をあげて取り組みました。そのために私は東京から札幌に赴任しましたが、2016年秋に準備工事着工、2017年春に第1工区に着工してから、2019年夏に第2工区が始まり、全体の竣工は、2021年の12月のことでした。
5年半にわたる長い工期のあいだにはさまざまな事態が起こり、例えば前半には胆振東部地震がありました(2018年9月6日)。第2工区が着工して半年後には、コロナ禍が到来します。
胆振東部地震では全道のブラックアウトによって工事がストップとなり、再開後も一部の工事をやり直すことになりました。コロナ禍は現在も続いているわけですが、現場では当初から顔認証機能を組み合わせた検温システムを導入したことをはじめ、徹底した対策の結果、幸い発症は一件もなく工期通り完工できたことを、関係の皆さまに深く感謝いたします。
北3条通をまたぐ空中歩廊の工事は、交通を止めることなく深夜に橋桁の工事を行いましたが、ボルト一本も落とすことが許されない緊迫した現場でした。また力強い個性と存在感のある中央体育館の工事では、外側に傾斜した壁の組み立てに高度な技術を要しましたが、これは2020年「日本コンクリート工学会賞(作品賞)」(公社・日本コンクリート工学会)をいただきました。そして2棟のマンション棟(ザ・タワーズフロンティア札幌)は、大和ハウス工業さまほか参画企業の一員として、2020年度のグッドデザイン賞(公財・日本デザイン振興会)を受賞することができました。